『不格好経営 チームDeNAの挑戦』を読んだ感想。経営の難しさ、人との繋がりを考えさせられる本。

知り合いから面白いから読んでみてと勧められ…、

【不格好経営 チームDeNAの挑戦 】

を読んでみました!

今回は本書の感想についてお話します。

 

日本を代表する大企業DeNA代表の南場 智子さんの会社創立から経営までの物語です。

正直、私的には凄いお堅い話をイメージしていました。

※経営本は偏見ですが、難しい内容のイメージがあります…。

 

しかし実際に読んでみると、

・会社で死ぬ気でダイエット勝負をした話だとか…

・提携先との大事な打ち合わせ前に、同行する社員の前歯が折れてキャンセルになった話だとか…

合間合間にユーモアな話を含んだ内容で非常に面白かったです。

 

その中でも本書から、私が得に印象深かった部分をいくつか抜粋して感想を残したいと思います。

 

 

 

 DeNA最大のトラウマ事件が起きても諦めなかった話

DeNA最初のサービスとして「新規オークション事業」を開発している時に、外注で開発完了しているはずのシステムが全く手を付けられていなかった事件が起こります…。

 

「これからオークションのサイトを立ち上げて会社を経営していこう!」という時に、何一つ出来上がっていないのです。

 

南場さんも「システム詐欺」という言葉が頭をめぐり、

完全に八方塞がり、絶望の状態でもサービスの開始はすでに決定事項…、

慌てふためき自宅に帰ってきた南場さんに旦那さんが3つの助言します。

・諦めるな、その予算規模なら天才が3人いたら1か月でできる。

・関係者、特にこれから出資しようとしている人たちに、ありまのままの事実を速やかに伝える事。決して過少に伝えるな。

・「システム詐欺」という言葉を辞めろ。社長が最大の責任者、加害者だ。

しかしここで南場さんが凄かったのは、

・旦那さんのアドバイスを受け、そのまま素直に言われるがまま即行動。

・失敗にとらわれず、会社全体を巻き込んで仲間の士気を上げる姿勢。

・全て一人で解決出来ない事を悟り、正直に社員に相談し、それに応える社員や関係者との深い繋がり。

この3点の事があり、上手くDeNAを復活へと導きました。

(様々な人の支えがあって会社を保つ事が出来ました)

 

 ここで学んだ事は、

どんなに優秀な人でも、パニックに陥ってしまうと極端な思考、行動しか出来なくなってしまうという事です

社長だから、代表だからは関係無く、人として誰でも起こりうる心理状態です。

 

そして大きな問題に直面した時こそ、身近な人(第三者)からアドバイスを貰う事で、

自分では気づかない様な客観的な判断が得られるという事が同時に学べました。

 

特に「信用のおける第三者からの助言に素直に従い、周りを巻き込んで行動できる事」が一番大事だと感じました。

 

社長という立場であっても、社員という立場であっても、1人で考え込まずに信用のおける人に相談する、

諦めずに目の前の壁に挑戦し続ける事が人生を大きく変えると気付いた話でした。

 

最低限持っていて欲しい5つの約束

本書で「DeNAクオリティー」という5つの決め事が出てきます。

 

これはDeNAの目指すべき姿では無く、メンバー全員に持っていて欲しい最低限のマインド面の約束なのですが、

「主体的に行動する」という側面では、どんな人でも一流社会人になる上でとても重要な事を綴っていたので紹介します。

 ・デライト(Delight)

顧客の事を第一に考え、感謝の気持ちを持って顧客の期待を超える努力をする。

 

・球の表面積(Surface of Sphere)

常に最後の砦として高いプロフェッショナル意識を持ち、会社を代表する気概と責任感を持って仕事をする。

 

・全力コミット(Be the best I can be)

2ランクアップ目線で、組織と個人の成長のために全力を尽くす。

 

・透明性(Transparency & Honesty)

チームワークとコミュニケーションを大切にし、仲間への責任を果たす。

 

・発言責任(Speak Up)

階層にこだわらず、のびのびと自分の考えを示す。

※個人的に特に大事だと思った所に下線を引きました!

 

恐らくこの内容を読むだけでも堅苦しいと感じる人もいるかもしれません…。

 

ただこの5つの決め事は「社会で評価される」ためにとても重要です。

当たり前の様で、意外と上記5つをしっかりと出来ている人は少ないため、

日頃から意識して行動するだけでも周りとの実力の差が大きく開くと思います。

 

大切なのは「選んだ選択を正しくする」

リーダーが「正しい選択を選ぶ」事は重要ですが、

最も大切な事は「選んだ選択を正しくする」と南場さんは言っています。

 

リーダーである以上、選択をし続けていかなければいけません。

しかし常に正しい選択を続けれる訳でも無く、

あとから「こっちの選択の方が良かった…」と意思決定の弱さを見せている様じゃ周りはついて来なくなってしまいます。

 

自分の決断に責任と自信を持ち「この選択で間違いなかった」と周りに思わせてやろうという強い信念が大事と言っています。

 

チームの結束力はリーダーの意思決定力の強さに直結します。

迷いの無いチーム 迷いのあるチーム

という事は世間の常識的な事ではありますが、これを実際に自分に落とし込む事がリーダーとして必要な素質であるという事が分かりました。

 

 

終わりに

本書を読む事で、南場さんのありのままの経験や考え方を知り、

経営者としての苦労や南場さんに付いていくDeNA社員の結束力の根源を理解する事が出来ると思います。

 

またDeNAは離職者も業界の中でもかなり低いみたいです。

離職者が低い理由は、

「新入社員採用に社長勤務時間の中でもかなり重きを置いた人材選択」

だと南場さんは言っています。 

 

しかしそれだけでは無く、恐らく南場さんの

・自分を強く見せないありのままの姿勢

・周りを引き寄せる不思議な魅力

この2つが主な理由なんじゃないかなと本書を読んで感じました。

 

そして、社員の退職や出戻りに対しても大らかな南場さんだからこその、

「人との繋がり」を大切にする姿勢も感じました。

※組織で繋がっていなくても、ゆるやかなプロジェクトで関係性を維持しているそうです。

 

 独りよがりの社長業では無く、本気で顧客と社員を大切にする企業は伸びるんだなと思った一冊でした…。

 

以上で感想を終わりたいと思います。

堅苦しくなく、非常に読みやすい本なので皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!